はじめに|AIへの質問、記号を使うと何が変わる?
ChatGPTなどのAIに質問するとき、「文章だけで話しかければいいの?それとも、何か特別な書き方があるの?」と疑問に思ったことはありませんか。
SNSやネットの記事を見ていると、AIへの質問文(プロンプト)の中に、** や #、「」、--- といった記号が使われているのを見かけることがあります。
「この記号って何の意味があるの?」
「記号を使わないと、AIにうまく質問できないの?」
そんなふうに感じる方もいるかもしれません。
実は、これらの記号は、プロンプトの中にある情報を整理するための目印として使うことができます。
ただし、最初にお伝えしておきたいのは、すべての記号を覚える必要はないということ。
短い質問なら、普段どおりの日本語で話しかけるだけでも大丈夫です。
この記事では、AI初心者の方でも使いやすい記号を、日本語で普段使っている記号や文章の書き方にたとえながら、わかりやすく紹介します。
「記号はちょっと苦手……」という方も、まずは身近なものから少しずつ試してみましょう。
そもそも、AIへの質問に「記号」を使うのはなぜ?
記号を使うと、プロンプトの情報を整理しやすくなる
AIへの質問が短い場合は、記号を使わなくても特に問題ありません。
たとえば、
東京でおすすめの観光スポットを3つ教えて。
これだけなら、そのままAIに入力すればOKです。
一方で、AIに伝えたい条件が増えてくると、文章が長くなってきます。
たとえば、
家族4人で東京に行きます。小学生の子どもがいます。できるだけお金をかけたくありません。雨の日でも楽しめる場所がいいです。移動が大変にならないようにしてください。
このように条件が増えると、「家族構成」「予算」「天候」「移動」など、いろいろな情報が文章の中に混ざってきます。
そこで、
## 家族
- 大人2人
- 小学生2人
## 条件
- できるだけ節約
- 雨の日でも楽しめる
- 移動が大変ではない
のように整理すると、自分がAIに何を伝えたいのかを整理しやすくなります。
人間が見ても、プロンプトの内容がわかりやすくなる
記号を使うメリットは、AIのためだけではありません。
実は、プロンプトを書いている自分自身にとっても便利です。
たとえば、以前使ったプロンプトをもう一度使いたいとき。
文章がずらっと並んでいるよりも、
- 目的
- 条件
- お願い
- 回答形式
というように整理されていたほうが、「ここを変更すればいいんだ」とすぐにわかりますよね。
プロンプトを何度も使い回したい場合にも、記号による整理が役立ちます。
記号は「AIへの特別な命令」ではなく「文章を整理する目印」
ここで、ひとつ大切なことがあります。
「記号を入れれば、AIが必ず賢く答えてくれる」というわけではありません。
たとえば、** を付けたからといって、AIがその部分を必ず特別に重要な情報として扱うわけではありません。
大切なのは、
- 何をしてほしいのか
- どんな条件があるのか
- 誰向けなのか
- どのような形で答えてほしいのか
を具体的に伝えることです。
記号は、こうした情報を見やすく整理し、何を伝えたいのかを明確にするための補助役と考えるとよいでしょう。
ノートを書くときに、
「ここは見出し」
「ここは重要」
「ここからは別の話」
と整理するのと似ています。
まず覚えたい!AIでよく使われる記号
ここでは、初心者の方が知っておくと便利な記号を紹介します。
なお、ここで紹介する # や ** などは、もともとMarkdownという文章の書式で使われるものがあります。
AIへのプロンプトでも、このような書き方を使うことで、情報を整理しやすくなります。
ただし、記号の扱いや効果が、すべてのAIサービスで完全に同じとは限りません。
| 記号 | 主な役割 | 日本語でたとえると | 使いどころ |
|---|---|---|---|
# | 見出しを作る | 「見出し」「題名」 | テーマや項目を整理するとき |
## | 見出しを一段下げる | 「小見出し」 | 項目をさらに分けるとき |
** ** | 文字を強調する | 「ここ重要!」 | 大事な言葉を目立たせたいとき |
「 」 | 文章や言葉を囲む | 「この部分です」 | 添削対象などを指定するとき |
- | 箇条書きにする | 「・」 | 条件や希望を並べるとき |
1. 2. | 順番をつける | 「①②③」 | 手順や順番を伝えるとき |
--- | 文章を区切る | 「ここで区切ります」 | 情報のまとまりを分けるとき |
| まとまった文章を囲む | 「この部分をそのまま見て」 | コードや長い文章などを扱うとき |
全部覚えようとしなくても大丈夫です。
まずは「こんな記号があるんだ」と知っておくだけでも十分です。
日本語の記号にたとえるとわかりやすい!AIで使う記号のイメージ
ここからは、記号を日本語の文章で使う表現にたとえてみましょう。
難しそうに見える記号も、普段の文章と結びつけて考えると、意外と簡単です。
# は、日本語の「見出し」のようなイメージ
# は、Markdownという文章の書き方で見出しを表す記号です。
たとえば、
# 1週間の献立
## 月曜日
## 火曜日
のように使います。
ブログやノートを書くときに、
「ここからは献立の話」
「ここからは月曜日の話」
と見出しを付けるのと同じような感覚です。
ちなみに、# より ##、## より ### とすることで、見出しの階層を一段ずつ下げることができます。
AIへのプロンプトでも、このように項目を整理すると、自分が入力した情報を見返しやすくなります。
** ** は、日本語の「ここ重要!」のようなイメージ
たとえば、
**節約を最優先してください**
のように書くと、その部分を強調できます。
日本語の文章でいうと、
「ここ重要!」
と目立たせる感覚に近いでしょう。
ただし、ここは注意が必要です。
** は、基本的には文字を太字にするためのMarkdown記法です。
そのため、
「
**を付ければ、AIがその情報を必ず重要だと判断する」
という意味ではありません。
あくまで、プロンプトの中で「ここを強調しておきたい」ときの目印として使う、と考えておきましょう。
- は、日本語の「・」のようなイメージ
- は、箇条書きにするときに便利な記号です。
たとえば、
- 朝食
- 昼食
- 夕食
と書けば、日本語の
・朝食
・昼食
・夕食
とほぼ同じ感覚で使えます。
AIに条件をいくつか伝えたいときにも便利です。
## 条件
- できるだけ節約する
- 平日は30分以内
- 子どもが食べやすい
- 野菜を取り入れる
このようにすると、条件を一つずつ整理できます。
1. 2. は、日本語の「①②③」のようなイメージ
順番や手順を伝えたいときには、番号を使うと便利です。
たとえば、
1. 冷蔵庫にある食材を確認する
2. 足りないものを買う
3. 月曜日の夕食を作る
これは日本語で、
①冷蔵庫を確認
②買い物
③夕食を作る
と書くのと同じような感覚です。
AIに「3つの方法を順番に教えて」「まず○○をして、その次に○○をして」といったお願いをするときにも使いやすい記号です。
「 」 は、「この文章を対象にしてください」というイメージ
日本語でも、誰かの言葉や文章を引用するときには「」を使いますよね。
AIへのプロンプトでも、添削してほしい文章などを「」で囲むと、
「この部分が今回扱ってほしい文章です」
と対象を区切りやすくなります。
たとえば、
以下の文章を自然な日本語に直してください。
「昨日は友達と買い物に行って、とても楽しかったです。」
という形です。
もちろん、AIにとって日本語の「」が特別な命令記号というわけではありません。
それでも、どこからどこまでが対象の文章なのかを整理する目印として、とても使いやすい方法です。
--- は、「ここで話題を区切ります」というイメージ
--- は、文章を区切るために使える記号です。
たとえば、
## 条件
- 4人家族
- 節約重視
- 平日は30分以内
---
## お願い
1週間分の夕食メニューを考えてください。
このようにすると、「ここまでは条件」「ここからはお願い」と情報を分けることができます。
日本語の文章でいう、
「ここで一度話を区切ります」
という感覚に近いでしょう。
これも、AIに特別な命令を出しているというより、情報のまとまりを整理するための区切り線として考えるとわかりやすいです。
実際に使ってみよう!記号を使ったプロンプト例
ここまで記号の意味を見てきましたが、実際のプロンプトではどのように使うのでしょうか。
身近な例で試してみましょう。
例1:献立を考えてもらう
まずは、記号を使わずに質問してみます。
記号を使わない例
5人家族の1週間の夕食を考えてください。できるだけ節約したいです。平日は30分以内で作れるものがいいです。子どもが食べやすいメニューにしてください。
もちろん、この質問でもAIは回答できます。
ただし、「家族」「予算」「調理時間」「料理の希望」が一つの文章に混ざっています。
そこで、情報を整理してみましょう。
記号を使って整理した例
# 1週間の夕食メニュー
## 家族
- 大人2人
- 子ども3人
## 条件
- 節約重視
- 平日は30分以内
- 子どもが食べやすい
- 野菜も取り入れる
## お願い
月曜日から日曜日までの夕食を考えてください。
どうでしょうか。
記号を使ったことで、情報の役割がはっきりしました。
#→ 今回のテーマ##→ 情報の項目-→ 条件の箇条書き
というように、プロンプトそのものが整理された状態になっています。
ここで大切なのは、「記号を使ったからAIが突然賢くなった」ということではありません。
自分がAIに伝えたいことを整理した結果、AIへの指示も明確になったと考えるとよいでしょう。
例2:文章を添削してもらう
次は、文章の添削をお願いするときの例です。
「添削してほしい文章」と「どのように添削してほしいのか」を分けてみます。
# 文章の添削
## お願い
以下の文章を自然な日本語に直してください。
「ここに自分で書いた文章を入れる」
## 条件
- 元の文章の雰囲気を残す
- 難しい表現にしすぎない
- 変更した部分も簡単に説明する
このようにしておけば、
何をするのか
どの文章を対象にするのか
どんな条件で直すのか
が整理されています。
特に文章添削のように、「対象となる文章」と「AIへの指示」が両方ある場合は、このような書き分けが便利です。
「記号を使えば、AIの回答は必ず良くなる」の?
ここまで読んで、「記号を使えば、AIからもっと良い回答をもらえるの?」と思った方もいるかもしれません。
結論からいうと、記号を使うだけで回答の精度が劇的に上がるわけではありません。
記号はあくまで、AIに伝えたい情報を整理するためのものです。
記号は魔法ではない
たとえば、
献立考えて。
という短い質問を、
# 献立
## 条件
- 4人家族
- 節約重視
- 平日は30分以内
## お願い
1週間分の夕食を考えてください。
と整理しただけで、必ずAIの回答が完璧になるわけではありません。
ただし、後者のほうが、
- 何について答えてほしいのか
- どんな条件があるのか
- 何をしてほしいのか
が明確になっています。
つまり、記号そのものよりも、AIに伝える情報を整理することが大切なのです。
記号を使うメリットは「整理しやすくすること」
記号を使うメリットをまとめると、次のようになります。
①プロンプトの内容を整理しやすい
目的・条件・お願いなどを分けて書けるので、自分の考えをまとめやすくなります。
②AIに伝えたいことを明確にしやすい
「これは条件」「これは添削してほしい文章」というように、情報の役割を分けて書けます。
③長いプロンプトでも見返しやすい
文章が長くなっても、見出しや箇条書きがあると、必要な部分を見つけやすくなります。
④同じプロンプトを使い回しやすい
たとえば「1週間の献立を考えるプロンプト」を作っておけば、家族構成や条件だけを変更して繰り返し使えます。
短い質問なら、無理に記号を使わなくてもOK
ここも、AI初心者の方にはぜひ覚えておいてほしいポイントです。
短い質問なら、わざわざ記号を使う必要はありません。
たとえば、
東京の8月のおすすめ観光スポットを3つ教えて。
という質問なら、このままで十分です。
「記号を使わなければAIを使えない」ということではありません。
質問が複雑になってきたら、記号を使って整理してみる。
このくらいの感覚で大丈夫です。
最初はこの5つだけ覚えればOK!
「いろいろな記号が出てきて、覚えられない……」と思った方も安心してください。
最初から全部覚える必要はありません。
まずは、次の5つを知っておけば十分です。
| 記号 | ざっくり覚えるなら |
|---|---|
# | 見出し |
** ** | 「ここ重要!」と強調 |
- | 「・」と同じ箇条書き |
「 」 | 対象の文章を囲む |
1. 2. 3. | 「①②③」と順番をつける |
# → 見出し
# 旅行プラン
「ここから旅行プランについて書きます」という見出しのイメージです。
** ** → 「ここ重要!」と強調
**予算は1万円以内**
日本語で「ここ重要!」と目立たせるような感覚です。
ただし、**は文字を太字にするためのMarkdown記法であり、AIに「絶対に重要だ」と命令する記号ではありません。
- → 「・」と同じ箇条書き
- 東京
- 横浜
- 鎌倉
普段のメモで「・」を使う感覚で使えます。
「 」 → 対象の文章を囲む
「ここに添削してほしい文章を入れる」
「この文章を対象にしてください」という目印として使えます。
1. 2. 3. → 「①②③」と順番をつける
1. 原因を説明する
2. 対策を紹介する
3. 具体例を出す
手順や順番を伝えたいときに便利です。
まずはこの5つだけ覚えて、実際のプロンプトで使ってみましょう。
コピペして使える!記号入りプロンプトの基本テンプレート
ここからは、実際に使えるテンプレートをご紹介します。
「毎回ゼロからプロンプトを考えるのは大変」という方は、コピーして必要な部分だけ書き換えてみてください。
基本形
# やってほしいこと
〇〇してください。
## 目的
〇〇したいです。
## 条件
- 〇〇
- 〇〇
- 〇〇
## お願い
〇〇してください。
## 回答形式
箇条書きでわかりやすく説明してください。
たとえば、「夏休みのお昼ごはんを考えてほしい」ときなら、
# 夏休みのお昼ごはん
## 目的
夏休みの平日5日分のお昼ごはんを考えたいです。
## 条件
- 4人分
- できるだけ節約
- 30分以内で作れる
- 子どもが食べやすい
- 同じメニューが続かないようにする
## お願い
月曜日から金曜日までのメニューを考えてください。
## 回答形式
曜日、メニュー、主な材料を表にしてください。
このように、自分がAIに伝えたい情報を項目ごとに整理するだけで、プロンプトがぐっと見やすくなります。
もっと簡単な初心者向けテンプレート
「そんなに細かく書くのは大変!」という方は、もっと簡単な形から始めても大丈夫です。
# お願い
〇〇について教えてください。
## 条件
- 〇〇
- 〇〇
## 希望
初心者にもわかるように、簡単な言葉で説明してください。
これだけでも十分使えます。
最初から完璧なプロンプトを作ろうとせず、「見出し+箇条書き」だけでも使ってみるのがおすすめです。
AIへの質問は「記号」よりも「伝え方」が大切
ここまで記号について紹介してきましたが、最後にもう一度、一番大切なことを確認しておきましょう。
AIへの質問では、記号をたくさん使うことよりも、自分が何をしてほしいのかを具体的に伝えることのほうが大切です。
特に、次の4つを意識すると、プロンプトを作りやすくなります。
- 何をしてほしいか
- 誰向けか
- どんな条件があるか
- どんな形で答えてほしいか
たとえば、
献立を考えて。
だけではなく、
4人家族の1週間分の夕食を考えてください。平日は30分以内で作れて、できるだけ節約できるメニューにしてください。
と伝えれば、AIが考えるための材料が増えます。
さらに、
# 1週間の夕食
## 条件
- 4人家族
- 平日は30分以内
- 節約重視
## お願い
月曜日から日曜日までの夕食を考えてください。
## 回答形式
曜日ごとに表でまとめてください。
と整理すれば、自分自身も「何を伝えたのか」を確認しやすくなります。
つまり、**記号は「伝える内容を整理するための道具」**なのです。
記号は「AIへの指示を整理するノート術」と考える
「プロンプト」と聞くと、なんだか特別な文章を書かなければいけないように感じるかもしれません。
でも、実際はそれほど難しく考える必要はありません。
普段ノートを書くときのことを思い出してみてください。
見出しを書く
今日やること
大事なところを目立たせる
忘れない!
箇条書きにする
・買い物
・掃除
・夕食の準備
順番をつける
①買い物
②料理
③片付け
話題を分ける
―――
AIへのプロンプトで使う記号も、基本的にはこれと同じような感覚で考えればOKです。
「AIのために特別な記号を勉強しなければいけない」と考えるより、
「自分の考えを整理して、AIに伝えやすくするためのノート術」
と考えると、ぐっと身近になります。
まとめ|記号は「AIと上手に話すための整理術」
今回は、AIへの質問で使われる代表的な記号について紹介しました。
ポイントをおさらいしましょう。
#は、見出しを作るための記号** **は、文字を強調するための記号-は、日本語の「・」のような箇条書き「 」は、対象となる文章を囲む目印として使える1. 2. 3.は、順番や手順を整理するのに便利---は、情報を区切る目印として使える- 記号を使うこと自体が、AIの回答を必ず良くするわけではない
- 大切なのは、目的や条件、希望する回答形式を具体的に伝えること
- 記号は、AIへの指示を整理するための補助役
「記号を使わなければAIが使えない」ということではありません。
まずは、
#で見出しをつける
-で条件を箇条書きにする
この2つから始めても十分です。
慣れてきたら、「 」で対象の文章を囲んだり、1. 2. 3.で手順を整理したりしてみましょう。
そして、プロンプトを書くときは、
「AIに何をしてほしい?」
「どんな条件がある?」
「どんな答え方をしてほしい?」
と、自分の頭の中を整理するところから始めてみてください。
記号は難しいプログラミングの知識ではありません。
普段のメモやノートを書く感覚で、AIへの質問を整理するための道具。
そう考えると、プロンプト作りも少し気楽に始められるのではないでしょうか。


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